チャートに見える相場の3つの動き
相場の動きを表すチャートは、基本的にローソク足の集合です。1本1本のローソク足自体も、値動きを表していることはローソク足のところで説明しましたが、何よりチャート全体の動きをとらえることが大切です。複雑に見えるチャートも、基本次の3つの動きのを表しているに過ぎません。それは- 上昇
- 下落
- 持合い
当り前のことですが、相場の動きはこの3つしかないのです。“持合い”というのは、“レンジまたボックス”と表現される相場の形のことを言います。それぞれの形をチャート上に漠然と見つけることは簡単ですが、実践に生かすためには、もう一歩踏み込んだチャートの見方をする必要があります。
チャートから“相場(市場)心理”を読む
相場に起こる動きは、【1.上昇と2.下落、3.持合い】の3つですが、単に形を理解しているだけでは十分ではありません。より重要なことは、チャート上に描かれるそれらの形に、“相場(市場)心理”の違いを読み取るということです。この“相場(市場)心理”とは、“チャート上にそれぞれ相場の3つの動きの形が出ているときに、それを見ている市場参加者たちの心理状態のこと”です。ではその違いをみていきます。相場の心理
上昇……期待、強気
下落……不安、恐れ
持合い……迷い、どっちつかず
さらに、このような心理的違いから、相場(チャート)の値動きの変化の“スピードと値幅”の特徴を読み取ることができます。
上昇……期待、強気 ⇒スピードはゆっくり少しずつ
下落……不安、恐れ ⇒スピードは速い大きく
持合い……迷い、どっちつかず ⇒ゆっくりだんだん小さく
この相場の値動きの“スピードと値幅”は、漠然とした感覚的なものですが、それを意識することは非常に重要です。では、この3つの値動きを形に表してみます。
◆図
この相場の3つの値動きを表した波の形は、チャート上によく描かれるから重要というよりも、相場の心理という観点から、ごく自然な
“人の感情の流れ”であると言えます。つまり、株や為替であろうが、どんな銘柄や通貨だろうと、それを売買しているのが人間である以上、どこかでこの“ご
く自然な人の感情”が表れるというわけです。言い換えれば、“ごく自然なこと”だからこそ、こうした値動きがチャート上に描かれた場合、その方向性が掴み
やすく、利益を上げやすいポイントと言えます。
特に図のA、Bのポイントは重要で、次のように言います。
- A ブレイクアウト
- B トレンド
ではそれぞれを解説していきます。
A ブレイクアウトとは
図もう一度図をみて下さい。ブレイクアウトとは、図のように、それまで相場が迷いに迷っていたものが、ある時点を機に一気に大きな動きを描くポイントや、またある値段付近を境にその後大きな値動きが発生するポイントのことを言います。
ブレイクアウトの特徴
- 持ち合い後に起こる
- ある押し目を境に起こる
- その後短期間で大きな値動きやトレンドが発生する
- ダマシがある
1.持ち合い後に起こる
持合い(レンジ)相場自体には様々な形がありますが、主に次の2つをおぼえておくといいでしょう。図
それぞれブレイクアウトする位置は違いますが、ここでのポイントは
ブレイクアウトの方向が、持合いになる以前の値動きの方向と同じになりやすい
この特徴を利用した注文方法の一例
図
2.ある押し目を境に起こる
まず押し目の定義ですが、押し目とは、チャート上に誰もが見ることができる“目立った高値&安値”のこと
この押し目、その値段付近が抵抗線の役割をすることが多く、またチャートの時間足が長いほど、強い押し目となります。つまり、“押し目を境に起こる”ブレイクアウトとは、その強い抵抗を突き破ることになり、その押し目の抵抗が強ければ強いほど、ブレイクアウトした場合、大きな値動きが期待できます。
この特徴を利用した注文方法の一例
図
3.その後短期間で大きな値動きやトレンドが発生する
ブレイクアウトの特徴である1持ち合い後、2押し目後、に起こる値動きは、それ以前よりも大きな値動きとなるケースが多く、ほとんどの場合トレンドへが発生します。トレンドと言えないまでも、ある程度短期間で一定方向に値動きが必ず起こります。トレンドに関しては後述するとして、短期間で値動きを獲得する絶好のチャンスと言えます。この特徴を利用した注文方法の一例
図
この注文の場合、次の特徴であるダマシの可能性からも、短期間で利食いすることが重要です。利食い条件などは、きちんとルール化しておくといいでしょう。目安として、ブレイクアウト後、チャート上で大きなローソク足3本の出現で即利食い、といった感じです。
4.ダマシがある
図ダマシとは、チャート上で売買シグナルが出ているにもかかわらず、シグナル方向に動いたと思いきやすぐ反対方向に戻ってしまうようなケースのことを言います。売買シグナルというのはあくまで、確率がそう動き易いといったものであるため、絶対ではなく、相場がその通りにならないこの“ダマシ”はある意味当然の結果と言えます。ブレイクアウト後の値動きにも、当然ダマシと言われるものがあります。ただブレイクアウト後のダマシは、戻りも急激で大きいため注意が必要です。
ブレイクアウト後は、ダマシ(急激な反転)に注意する
この特徴を利用した注文方法の一例
こうした特徴から、ブレイクアウトで重要なことは
ブレイクアウトの意識は
大きな値幅が狙えるポイント<確実な値幅がとりやすいポイント
大きな値幅が狙えるポイント<確実な値幅がとりやすいポイント
ブレイクアウトでは、あまりその値動きの大きさに惑わされず、「大きな値幅がとれたらラッキー!」といった程度にとどめておき、確実に数pipsを抜くポイントとしてとらえるほうが賢明です。
b トレンドとは
トレンドの定義相場がある一定方向に動き易い状態が続くこと
上昇(アップ)トレンドと下降(ダウン)トレンドがありますが、チャートをみて、何となく単に上がっているからアップトレンド、下がっているからダウントレンドというわけではありません。トレンドの定義にあるように、“一定方向に動き易い”状態であってはじめて、アップトレンド、ダウントレンドということができるわけです。ここを誤解してしまうと、単なる上昇相場と上昇(アップトレンド)を混同してしまい、トレードの精度が落ちることにもなります。が、トレンドを見極めることができれば、一定方向に動き易い状態が続くわけですから、“トレンドに乗る”ことで(トレンドフォロー)、かなりの確率で利益を得ることができるわけです。
そこでここでは、“トレンドの見極め”について、以下のポイントを具体的に解説していきます。
トレンドの見極め
- トレンドの形を見極める
- トレンドの強さを見極める
トレンドの形を見極める
トレンドと言える形をまずはおぼえましょう。図
強いトレンドほど、この図のようにきれいな形を描きます。この図にあるようにトレンドの形は、一般的にダウ理論のシグナルが続いた形となります。>>ダウ理論のシグナルについてはこちら
トレンドの“強さ”を見極める
「トレンドは、どの程度続くのか?」トレンドは続くという性質から、確かにトレンド方向に順エントリーすれば(アップトレンドなら買い、ダウントレンドなら売り)、かなりの確率で利益をあげることできるわけですが、当然ながら、トレンドは永遠に続くわけではありません。つまりトレンドは、その出現だけでなく、「トレンドの終わり、どの程度続くのか?」といった“トレンドの強さ”を見極める必要があります。それには、次の4つのポイントを押さえておくといいでしょう。
トレンドの強さを見極めるポイント
- トレンドの終わりの形
- ボリンジャーバンドとの関係
- adxの数値と傾き
- より大きな時間軸との対比
図
にあるように、トレンドの形が崩れた場合、トレンドの終わりや転換のポイントである可能性があります。
2.ボリンジャーバンドとの関係
3.adxの数値と傾き
4.より大きな時間軸との対比
仮に、5分足でアップトレンドが発生、30分足でもアップトレンドが確認できる、といったより大きな時間軸でのトレンドが重複しているケースなどは、非常に強いトレンドであると言えます。逆に5分足で大きなアップトレンドに見えても、30分足でダウントレンドの中にある場合、より大きな時間軸に相場の流れが引き戻されるケースがあります。このより大きな時間軸と照らし合わせるというチャートの見方は、トレンドに限らず常に意識する必要があります。
このより大きな時間軸との対比は、トレンドの終了や転換などを判断する際も重要ですので、必ず癖づけるようにしましょう。
以上、ブレイクアウトとトレンドの解説となります。
このように相場は
ブレイクアウト ⇒ トレンド ⇒ 持合い ⇒ ブレイクアウト ⇒ トレンド ⇒ 持合い
この繰り返しです。
FXは、売りからも取引を始めることができるため、下落相場がイコール“不安や恐れ”と言えないかもしれません。というよりも、そのスピードが速い分、下落=ビックチャンスであるはずですが、それは少数派の心理と言えます。











